

「インデックス投資をしているけれど、配当金という“現金収入”も欲しい」
そんな気持ちになったことはありませんか?
僕も投資を始めた当初は、eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)をコツコツ積み立てるインデックス投資一本でした。
しかし、コロナショックのような暴落を経験し、不況でも配当金が入り続ける安心感の重要さを痛感しました。
ただし、個別株の短期売買で値上がり益を狙う手法は再現性が低いため、初心者が真似をするとかつての僕のように痛い目に遭う可能性があります。
そこでたどり着いたのが、「長期保有前提」の高配当株投資です。
この記事では、
インデックス投資と高配当株投資の組み合わせ方
米国・日本高配当株の選び方と購入方法
購入タイミング
実際の銘柄分析ポイント
を初心者でも再現できる形で解説します。
これを読めば、僕が投資初期にやってしまった「利回りだけに釣られて資産を減らす失敗」を回避できます。
なぜインデックス投資に高配当株投資を組み合わせるのか
全世界株式インデックスと高配当ポートフォリオの比較
• 全世界株式インデックス:年利 5〜7%(配当ほぼなし)。資産成長に強い一方で、定期収入がないため不況時に不安になりやすい。
• 高配当株ポートフォリオ:年利 3〜4%(安定した配当収入あり)。配当金というキャッシュフローが得られ、不況時の心理的支えになる。
組み合わせのメリット
• 好況期:インデックス投資で資産を増やす
• 不況期:高配当株から配当金を受け取り生活の安定に寄与
• 分散効果で暴落時の資産減少を緩和できる
高配当株投資の基本戦略
米国株と日本株に投資する
米国株50%:日本株50%の割合を維持することで、為替や景気のリスク分散をしましょう。
暴落時に仕込む
⚪︎⚪︎ショック時のように、業績が好調でも市場全体の暴落に巻き込まれた銘柄を割安で購入しましょう。
→ 株価回復+配当利回り上昇でリターンを最大化。
米国高配当株の投資方法
米国株で高配当株投資を場合は、投資信託やETFを購入するのがおすすめです。
おすすめ商品:SCHD連動投資信託
米国高配当ETFの代表格 SCHD(Schwab U.S. Dividend Equity ETF) に投資できる日本の投資信託が100円から購入できておすすめです。
SCHDの特徴
米国の配当利回りの高い100銘柄で構成された指数「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」への連動を目指す。配当による収益と中長期的な値上がりを目指しつつ、幅広い業種の米国高配当株式100銘柄程度に分散投資できる。
・運用開始日:2011年10月20日
・運用総額:約10兆円
• 経費率:0.06%
• 配当利回り:3.84%
・5年トータルリターン:10.86%
出典:Bloomberg(2025年8月11日時点)


少なくとも10年連続で配当金を支払っている銘柄が対象で、利益率・配当利回り・配当成長性などが優良な銘柄に分散投資。年初来より右肩上がりの株価推移で、配当も利益からしっかり出す、高配当投資のあるべき姿を見せてくれる優良ファンドですね。
SBI・S・米国高配株式ファンド(年4回決算型)(愛称:S・米国高配当株式100)
• 配当月:3・6・9・12月
• 信託報酬:0.1227%(2025年8月時点)
楽天・シュワブ・高配当・米国ファンド(四半期決算型)【愛称】楽天SCHD
• 配当月:2・5・8・11月
• 信託報酬:0.1238%(2025年8月時点)
購入時のポイント
2つとも本家SCHDより信託報酬は高めですが、二重課税の調整がされた後の配当金がもらえるので税金がお得で、特定口座(源泉徴収あり)で購入すれば、確定申告の手間もありません。
ただし、NISA口座で購入する場合は、国内税が非課税のため”調整する国税がない”=米国源泉徴収10%は戻らないという扱いになるので注意が必要です。
VIX指数を活用した購入方法
VIX指数とは?
米国市場の「恐怖指数」と呼ばれ、数値が高いほど投資家心理が不安定になり、株価が下がることが多い。
一般的に30を超えると市場が大きく動揺しているサイン。
※2020年コロナショック時のVIX指数は82.69を記録。
購入タイミング
VIX指数を参考に、高配当株投資用の資金で以下のようにタイミングをずらして購入します。
• 30未満:5%を定期積立→株価が右肩上がりのSCHDのようなファンドでのみできるやり方なので注意が必要。
• 30〜39:10%を買い増し(累計15%)
• 40〜44:20%を買い増し(累計35%)
• 45〜49:20%を買い増し(累計55%)
• 50〜59:20%を買い増し(累計75%)
• 60〜69:15%を買い増し(累計90%)
• 70以上:10%を買い増し(累計100%)
日本高配当株の投資方法
現状(2025年8月時点)では、日本の高配当株を扱うETFや投資信託でおすすめできるものはありません。
日本の高配当株に投資する場合は、自分で1つずつ銘柄選定する必要があります。
日本高配当株でETF・投資信託を避ける理由
• 米国のSCHDのように、株価が長期的に右肩上がりで推移している実績が少ない
• 見かけ上の利回り重視で、タコ足配当企業(利益ではなく資産を取り崩して無理に配当を出しているケース)が多く含まれる
・ETFや投資信託の手数料が相対的に高めである
銘柄選定の流れ
1. Yahoo!ファイナンス利回りランキングを検索
利回りランキングで3.5〜5%程度の銘柄を抽出
高すぎる配当(例:7%超)は減配リスクが高いことが多いため注意しましょう。
2. IR BANKを検索
決算資料から業績を確認しましょう。
今回は優良高配当銘柄「KDDI」を例に決算資料を検索してみます。






3. 業績チェック項目に基づき候補を絞る
業績チェック項目
① 売上高(営業収益、収益):増加傾向or安定推移が理想


② EPS(1株あたり利益):増加傾向が理想


③ 営業利益率:5%以上(10%以上なら優秀)


④ 自己資本比率:40%以上(60%以上なら安心)


⑤ 営業活動によるキャッシュフロー:毎年黒字or長期的に増加傾向、過去10年で赤字が1回もない


⑥ 現金等:長期的に増加傾向


⑦ 1株あたり配当金:減配や無配がない、⚪︎⚪︎ショックなど暴落時の対応も確認


⑧ 配当性向:30〜50%が適正(70%以上は将来の配当維持が厳しい可能性)


分散投資とポートフォリオ構成
• 保有銘柄数:50〜70銘柄
• 規模のバランス:
大型株よりは中/小型株をバランスよく購入する
景気敏感株よりはディフェンシブ株をバランスよく購入する
• セクター分散:
特定の業種(セクター)が全体の20%を超えない
景気敏感株は全体の30%まで(各銘柄は5%以内)
ディフェンシブ銘柄(食品・医薬品・通信など)は50%以上確保
• 配当依存度:1銘柄からの配当が全体の3%を超えないようにする
購入タイミング
• 市場全体の暴落時(業績が安定しているのに株価が大きく下がっているタイミング)に購入
• 株価が購入価格から20%下落したら購入、さらに20%下落したら追加購入が目安
売却を検討すべき条件(基本は長期保有)
• 減配・無配に転落した場合
• 大きな不祥事が発覚した場合
• 株価が買値の約5倍になった場合(利益確定を検討)
実践のポイント
• 月1回は銘柄スクリーニングを行い、新しい候補をリストに追加
• 定期的に業績を見直し、減配や財務悪化がないかチェック
日本高配当株について学ぶうえで、僕自身はリベラルアーツ大学の両学長の動画から多くを学びました。さらに体系的に学びたい方は、ぜひチェックしてみてください。👉【初心者向け】高配当株の「分析ツール」の使い方をカンタン解説【株式投資編】
FAQ
Q1. 高配当株投資はいつ始めるべき?
A. 業績が安定している優良銘柄なら、いつ始めてもOK。ただし、暴落時の購入がリターン最大化の鍵です。
Q2. インデックス投資と高配当株投資、どっちを優先すべき?
A. 初心者はまずインデックス投資で資産形成の土台を作り、余剰資金で高配当株投資を始めるのがおすすめ。
まとめ
全世界インデックス投資は資産成長、高配当株は安定収入。
高配当株投資は少し手間がかかりますが、両方を組み合わせることで、下落局面でも収益源を確保しやすいポートフォリオを組むことができます。
重要なのは、
• 銘柄選定のルール化
• 暴落時の冷静な仕込み
• 米国と日本のバランス管理
今日から少額でも、自分だけの”成長+収入”を両立させた自分だけの資産運用を始めてみませんか?
※本記事は筆者の私見や体験に基づく参考情報です。将来の成果を保証するものではなく、内容の利用はご自身の判断と責任でお願いいたします。